旅するランナー

ナイアド ~その決意は海を越える~の旅するランナーのレビュー・感想・評価

4.7
【チームナイアド、クラージュ!】

ウルトラマラソン、24時間マラソン、トレイルラン、トライアスロンなんかは、もちろん知っていますけど、マラソンスイマーという存在は知らなかったです。
実在のマラソンスイマー、ダイアナ・ナイアド。
現役を引退して約30年を経た彼女が60歳で一念発起し、長年の夢である、キューバからフロリダまで約180キロに及ぶ海峡を泳いで横断する冒険に挑みます。
資金確保から、低体温症やサメ・毒クラゲなど、多くの苦難を乗り越えていく、彼女の情熱に心を打たれます。
「凡人で終わるな。何かを成し遂げろ」という強烈で前向きなメセージが伝わってきます。

ナイアドを演じるアネット・ベニングによる入魂の演技。
決してギブアップしない強気な気構え、垣間見せる老いの気配、ボロボロになってもやり遂げる姿に胸が熱くなります。
そして、長距離スミマーは孤独ではなく、彼女をサポートするメンバーも渋く泣かせてくれます。

特に、親友のコーチ役ジョディ・フォスター。
実は、僕がマラソンを始めるキッカケの一つは、「羊たちの沈黙」の冒頭、森の中をジョディ・フォスターがランニングする姿を見た日の夜、夢の中に彼女が現れ「RUN、〇〇〇、RUN!」とお告げを頂戴したことなのです。
ですから、ジョディ・フォスターによる声援は滅法効きますよ。