ヘラルドスクエア

ナイアド ~その決意は海を越える~のヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

3.0
そんなに古い話ではない実話。
世の中にはすごい人がいるもんだなぁ。
ナイアドさんのような人を大人物と言うのですね。
心から感心、感動です。

そんな大人物に完全憑依したアネット べニングさんは一世一代の演技でした。
女優生命が終わるんじゃなかろうかというほどの捨て身のキャラ作り。こんな彼女の姿は見たことがありません。ホント驚愕。
同じく助演のジョディ フォスターさんにも驚愕。
こんな彼女もまた見たことがありません。
アカデミー主演女優賞と助演女優賞にノミネートされているのは納得。二人の受賞を願っています。特にべニングさん5度目の正直で!

不屈の精神というテーマと、もう一つの大きなテーマのLGBT。
それが全く押し付けることなく当然のように描かれているのには清々しさというか新しさを感じました。
この面についても、この二大女優のバックグラウンド、生き方そのものが画面に溢れていました。
フォスターさんは10年前ゴールデングローブ賞の壇上で衝撃のカミングアウトで、常にLGBTムーヴメントの中心にいます。
べニングさんはお子さんがトランスであることを公表し積極的にサポートしています。さらにはアクターズファンドの理事に就任して、今回の俳優と脚本家のストライキのセーフティネットとして莫大な資金調達に成功しています。
二人とも俳優であり活動家でもある。
そんな生き様がこの作品をより説得力のあるものにしたのだと思います。
チャイ監督を含めて女性のパワー、女優のパワーを見せつけらました。