Masato

ナイアド ~その決意は海を越える~のMasatoのレビュー・感想・評価

3.7

アカデミー賞 主演、助演女優賞ノミネート

177kmに及ぶフロリダ海峡を64歳で泳ぎきったダイアナナイアドの実録伝記映画。

実際の映像が入り混じりながら話が展開していくことで、よりドラマティックに、よりリアルに。とドラマとドキュメンタリーのいいとこ取りをした作風。ドキュメンタリー作家ならではの劇映画って感じがした。

スポ根伝記映画でもあるけど、それ以上に女性のための映画でもあった。ジョディ・フォスターが出ているのもナイアドがレズビアンだっからだろう。ナイアドがいくつになっても挑戦する理由はあの日に性的虐待と闘うことを諦めた自分が許せないからという事実や、挑戦するのに年齢は関係ないというエイジズムも遠泳の中に込めて、どんな差別や屈辱に対して闘うことを諦めないことを描いていて良かった。

挑戦することに固執し過ぎることや、長時間自分と向き合うスポーツで自分のことにしか考えられなくなって、自分勝手な傲慢になっていた自分を、誰かの支え合って今の自分がいることを見つめ直す成長物語としても、どんなときも見捨てなかったあまりにも人が良すぎる親友のボニーとの固い友情も感動的で良かった。ナイアドは人に恵まれすぎている。逆に言えば、そういう人を惹きつける魅力があったのかも。

アネット・ベニングがノミネートされているが、本人と姿も喋る時の動きも似ていて凄かった。このクセのある性格のナイアドをありのまま自然に演じきれている彼女はノミネート納得。リス・エヴァンスも良かった。

自分が平凡な存在であると甘えて、努力しないのは怠慢だ。
グサッときますね…
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