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ナイアド ~その決意は海を越える~のsammyのレビュー・感想・評価

3.8
030/2024

人に勧められたこともあり 最寄り駅の沿線にある映画館で上映していたので観にいってみた。

Netflixで家でも視聴できるのにわざわざお金払って劇場に足を運ぶなんて物好きはおれくらいで劇場貸切じゃねーの?と思ってたらおよそ20人くらいの観客がいてうれしくなっちゃった。
同士よ。

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キューバからフロリダまで165kmの海峡を泳いで渡った鉄人お婆ちゃんの実話を映画化。

作中では1艇の船と5〜6人のスタッフを中心に描かれていますが実際は複数の船と40人のスタップという大掛かりなものだったみたいですね。
そりゃそーだ。
それと作中の前半でナイアドはケージなどを使わない「補助なし」に拘っていましたが、マスクその他の装備や物理的なサポートを受けたことにより「補助あり」に、挑戦中の記録に欠落があったことでその公式認定さえ後に取り消されているようです。

作中では言及されていませんが「補助あり」の記録ではナイアド以前に2人(サメ用のケージを使用して)キューバ〜フロリダ間を完泳した人物がいたらしいです。

以上の点を踏まえ

主演アネット◦ベニングやったんや!
ジョディー◦フォスターは分かってて見たけど
映画館のポスターでそうだと知ってビックリした。

ナイアドの鋼鉄の意志。
やっば見どころのひとつはこれです。
直線距離165km…海流やなんやで実際は180km?
執念といってもいい成功に拘る姿はまさに壮絶の一言。

ナイアドのキャラがまた強烈。
失敗の可能性を微塵も考えないで前しか見てないという性格は、しかしそうじゃないとアスリートって大成しないんだろうなぁと思わされました。

主張の違いからの言い争いは絶えないけれど
ボニー(ジョディー◦フォスター)初めスタッフ全員が同じ目標を共有している深い絆で結ばれているのが表現されていて胸が熱くなった。
ええ号泣ですとも。

「挑戦するのに年齢は関係ない」は還暦を過ぎて偉業を成し遂げた人だけが口にできる言葉だと思う。
そしてそれに勇気づけられる人は少なくないはず。
私もそのひとり。
残る人生 年を言い訳にして諦めそうになった時 今作のナイアドを思い出して奮起しようと思います。

エンディングの実際の映像を見て
主要キャストのほとんどが本物と見分けがつかないほどそっくりでビックリ。

ただ
現実の映像と映画の映像が交互に(しかもある程度混同させようと意図的に)編集、加工されている箇所が多数見受けられ少し気になった。
上記したように映画化する上での多分の脚色や演出は当然あるので明確に差別化をする 或いはせめて冒頭に注釈をつけるなどしないとミスリードを招くと思うんだけどこれを演出と呼んで良いものか…。
現実とそっくりなキャスティングの狙いもそう考えると俄かにキナ臭くなってきたりして。

あと
性的虐待は何もできなかった少女時代の自分やネルソンに対する怒りが泳ぎの原動力になっているということだったのでいいとして 同性愛の描写は(実際にナイアドがそうなんでしょうけど)今作とはあまり関連がないように感じられ正直いらなかったかなと。


奇しくも帰り道ヘッドホンから流れてきたのは桑田佳祐のナンバー「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」。

栄光に満ちた者の陰で
夢追う人たちがいる
いつも側にいて
共にゴール目指して
その命燃やしてるんだ

愛情に満ちた神の魔法も
悪戯な運命にも
心折れないで
でなきゃ勝利はないじゃん
sammy

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