「この仕事、面倒くせ」ついそう思う気持ちは誰にでもある。でもそれが警官だったら?刑事司法制度を信用して性犯罪を訴えた被害者が、そんな警官によって逆に虚偽告発の容疑者にされてしまう。
例えば未成年の飲酒、偽のID所持、加害者への親密そうな態度等、被害者側の落ち度につけこみ懐柔し、あたかも性犯罪などは最初からなかったかのように仕立て上げられて、それどころか虚偽報告をしたとして逮捕されてしまう。性被害によって尊厳を蹂躙された二十歳前後の「女の子」たちが、プロとして訓練を受け十分な知識と経験を持つ「大人」の警官たちによって再び蹂躙される恐ろしい地獄。
なぜそんなことがまかり通るのか?
性犯罪の捜査には時間がかかる。そのため被害者の訴えを撤回させれば仕事は終わる。さらに虚偽報告の犯人が挙がって検挙率が上がるし捜査する必要もない。こうして表面上「全て世は事もなし」となる。
かくして性犯罪はなかった事にされ、加害者は野に放たれたままになっている。
こうした問題を辛抱強く何年もかけて調査し、その真相をあぶり出した記者の話。