もうひとつドキュメンタリーを。
性的暴行を受けた被害者が、意を決して警察に被害届を出した。しかし、それを虚偽報告だとして、長時間の事情聴取を受け、最終的に偽証罪で逮捕された。
本作のタイトルはそういうことだ。
そんな事件に興味を持ち、調べることになったジャーナリストのレイチェル。警察の捜査は公平且つ正しいものであったのか?本作はそこが焦点だ。
アメリカでは毎年約46万件の性犯罪が起こっている。被害届が出るのはそのうち3割。そして偽証罪での逮捕は4年で100件以上。
偽証罪の餌食になるのは、20代そこそこの子たち。事情聴取で徹底的に詰めたら、罪を認めるからだとのこと。
「監視カメラの映像がある」「君の証言と映像が一致しない」「実際に被害に遭った人の邪魔をしているんだ君は」などと言って追い込み、罪を認めさせる。
捜査プロセスを短縮し、警察の負担を減らすためだという。やり口もまるで、特殊詐欺みたい。ろくな捜査もせずに若い子を騙すんだ。確信犯である。
レイチェルたちはチームを組んで、裏取りと聞き込みを続ける。そしてついに、一件の無罪判決を勝ち取った。
その判決は、捜査官を対象とした性犯罪捜査に関する研修の開催につながった。そういうのって大事だと思う。偽証とそうでないのを見極めるのは難しいけど、徹底的に捜査して結論を出すのが重要だよね。
でもそれは、あくまで事後対応。
性犯罪は再犯率が高いっていうし、加害者への制裁はもちろん、願わくば性犯罪そのものがなくなってほしい。