「ウェストサイド物語」などで有名なレナード・バーンスタインの破天荒な人生に振り回された妻フェリシアを主人公に描いた作品。
フェリシアを演じたキャリー・マリガンの表情の演技が見事でした。
バーンスタインは若い頃からゲイである事を公言していたのかな?劇中でも人目を憚らず男性とキスしたりして彼の性的指向にある程度の理解を示し愛し続けるフェリシアの気持ちを苛むのが痛々しい。
夫の不義を知りつつ慈愛に満ちた哀しげなマリガンの表情が良いんです。特徴的な長回しの後にそんなフェリシアの顔にズームしていくカメラワークが何回かあるのだけど本当に素晴らしかった。
特に大切にしていた長女のジェイミーが父の噂を聞きつけ悩み始めたのを境に二人の間の諍いが増えていくのだけどジェイミー役のマヤ・ホークの演技も良かった。
残念ながらDolby Atmos館で鑑賞出来なかったけどバーンスタインのお馴染みのスコアが大音量でかかるのは楽しい。
広い庭や公園で戯れるシーンも何度かあるけど風音や鳥の鳴き声など自然な環境音もよく出来ていた。