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マエストロ:その音楽と愛とのmasaakiのレビュー・感想・評価

4.5
2023 12 24

👏👏 傑作!終盤ずっと涙。

ブラッドリー・クーパーがジョシュ・シンガー(『スポットライト』『ペンタゴン・ペーバーズ』)と脚本を仕上げ、監督としてスピルバーグとスコセッシに声がかかるも、2人はそれぞれの作品に注力(『ウェスト・サイド・ストーリー』と『アイリッシュマン』)。しかしそのままプロデューサーとして関わり続けて完成したのが今作。

古典ミュージカル形式のモノクロ前半部。冒頭のベットシーンからのオーケストラステージまでの壮大なカメラワークでまずぶちのめされた。そして照明も、おそらく濃淡まで細かく意識されていて、幻想的な愛の物語が始まる。

突然のカラー演出への切り替え。リアリティラインを超えるような演出は一切なくなり、ハネムーン期の終焉が始まる。

2人のすれ違いやプレッシャーが、フレームの使い方、扉を隔てた奥行き、長回しなどが駆使されることでサスペンスを生んでいく。

そして何よりも今作を快作にしているのは主演2人の演技!年代ごとに声色が変わっていくブラッドリー・クーパー、立ち姿が変わっていくキャリー・マリガンには驚嘆。演技上手すぎんだろこの2人。マヤ・ホークも最高!完璧な助演に徹してる!

劇場で観たかったなぁ。伝記映画でありながら、とことん「愛」を描けていた作品でした。
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