ユージーン

マエストロ:その音楽と愛とのユージーンのレビュー・感想・評価

3.4
「アリー」以来のブラッドリー・クーパーが監督脚本主演をつとめた二作目。

 前作は完全オリジナルでしたが、今回は実在した人物の半生を描いているということで、いろいろと制約があったと思います。物語の中で半世紀ほどの時間が過ぎていくわけですが、その半生の切り取り方が、私にはだいぶ雑に感じられ、内容を把握するのに随分と労力を使わされた気がします。また、視点が指揮者になったりその妻になったりして、いったいどちらを主役に据えたいのだろう、という混乱もありました。

「アリー」は、主役がアリーかと思いきやブラッドリー演じるバンドマン、といった感じの作りになっていましたが、今作はタイトルからも指揮者だとわかるので、もっと主人公視点での憤りや葛藤に焦点を当ててほしかったです。

 脚本なのか編集なのかわかりませんが、あまりにも無駄と思えるシーン(パーティでの会話など)が多すぎて、本当にただ、実際にいた人物の半生で、あったであろう日常を切り取ったかのような作りすぎて、退屈な時間が多かったです。