Mariko

マエストロ:その音楽と愛とのMarikoのレビュー・感想・評価

3.5
そんなにレニーのファンではない。
作曲家としてみたら、キャンディードもウエストサイドも紛う方なき名作だし、On the Townは、オリジナルからかなりアレンジされた映画でその音楽を知ったけれど今でも大好き。また指揮者としてはとにかく多くの作品を振っているので、私が子供〜10代の頃にはカラヤンと並ぶ、多くの作品を手に入れやすい筆頭だった。特にマーラーに関しては今ほど多くは音源が出回っていなくて、初めて聴いたマーラーがバーンスタイン/ NYフィル(一部イスラエルフィル)であることが少なくなかったので、私にとっても本当に有り難く大きな存在であったことは間違いないのだけど、、自分の中に「これはバーンスタインでないと!」と認識しているものが一つもないのであった。まあ「ユダヤ系」が何を意味するのかもサッパリわからないような頃に聴いていたわけだし、聴き方がよくわかっていなかったということも多分にあるかもしれず、数十年経った今だとどうなんだろう、という気持ちにはすごくなっている。来年マーラー演るし。

そして、不思議と(不思議ではなく必然なのかもしれない?)今作の印象もそれと似たようなものになった。

カメラワークや演出が素晴らしく、またそんなにはよく知らなかった夫人フェリシアとの関係をこういう形で見られたこともとてもよかったとは思うし、何よりブラッドリー・クーパーのコピーぶりが凄いのだけど、どこかに感銘を受けるといったことが殆どなく、実に淡々と観てしまった。ちょっと軸が定まっていないような印象はあるものの、フェリシア主体で描くという切り口は非常に現代的であり、とてもよくできた作品だと思っているにもかかわらず。

映画のレビューじゃなくて「私とレニー」、という小学生の作文みたいだな笑。

それにしても、あのタバコは見てるだけで具合悪くなる(作品に対する評価とは別の話)
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