1世from524

マエストロ:その音楽と愛との1世from524のレビュー・感想・評価

3.5
20世紀を代表する作曲家・指揮者 レナード・バーンスタインの伝記映画。
バーンスタインは映画や演劇好きには『ウエスト・サイド・ストーリー』などの作曲家としての方が馴染みがあるかも。

監督と主演を務めたのはブラッドリー・クーパー。前作『アリー/スター誕生』が俳優の監督デビュー作としては堂々たる出来だったので2作目も楽しみにしてた。
そして改めて腕あるな〜と思わされた。

バーンスタインの伝記とはいえ中心となるのは妻フェリシアとの夫婦生活について。

フェリシアを愛しながらも同性愛者だったレナードはその名声が高まるにつれて、性生活も奔放になっていく。
クーパーは『アリー/スター誕生』がアルコールで没落していくスター歌手を演じていたけど、今回はセックス依存症に苛まれる弱い男を自ら演じ上げる。

まだ若い時代はモノクロ、年をとってからは美しいカラーフィルム。撮影はとても美しい。擬似1カットのような形でシーンを繋いでいく編集やバーンスタインの楽曲をシーンに合わせていくスタイルは過度にスタイリッシュで少し気になる部分ではあった。

とはいえ監督ブラッドリー・クーパーが一番大事にするのは当然というべきか演技。俳優の演技を余すことなく見せる長回しがとても良い。前作『アリー』はあえて顔のクローズアップだけで通して繊細な表情の機微を撮り逃さなかったが、今回は極端に引きの絵からゆっくりと顔にズームしていくようなショットが多い。

そんな作りのおかげで、ブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガンの演技をとことん堪能できる。
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