たむ

マエストロ:その音楽と愛とのたむのレビュー・感想・評価

3.9
アカデミー賞の有力候補とも言われているレナード・バーンスタインの伝記映画です。
サブタイトルにあるほど音楽の要素は強くはないものの、偉人の伝記映画の多くがそうであるように、本作もバーンスタインよりも奥さんのドラマが強く描かれます。
ブラッドリー・クーパーさんは主演だけではなく『アリースター誕生』以来の監督作ですが、監督としても非常に才能を感じさせるシーンが多くあります。
特に長回し。
ハリウッド映画はカットを切ってモンタージュする手法が多く行われますが、夫婦喧嘩のシーンをスタンダードのフィックスで表現。
当然、主演の2人の演技力に自信があるから出来ることでもあるのですが、見応えのある緊迫感あふれるシーンになっています。
バーンスタインの教え子に対する愛情という名の行為は、今では大問題に発展するでしょうし、奥さんの怒りや葛藤も描かれます。
創作の映画というよりは、天才が自分らしく生きることによって周りがどんな影響を受けるか、というドラマでもあると感じました。
大作ではありますが、夫婦の関係に焦点を絞っている映画ですね。
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