レナード・バーンスタインと妻フェリシアを描いた、ブラッドリー・クーパー監督、脚本、主演の渾身の作品。
まだまだヨーロッパ中心のクラッシック界で、アメリカ生まれの指揮者として初めてニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の、音楽監督に就任したというバーンスタインは、アメリカ人にとって至宝だったのだろうと感じた。
制作にはスピルバーグやスコセッシの名もあるのには、そんな理由があるのだろうなと想像する。
とにかく、ブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガンがいい。
若かりし頃のバーンスタインの生き生きとした好奇心と、才能溢れる前途有望な若者という感じが伝わってくる。
その後の人生でも、情熱的な指揮、気さくでおおらか、陽気で人たらし、スター性も兼ね備えたバーンスタインが、見事に表現されていた。
バーンスタインと女優の妻フェリシアとの関係が、映画の多くの時間を割いていた。
妻フェリシアのバーンスタインに対する愛情と苦悩。女優としての誇り、病への憤りが、ひしひしと伝わってくる。
レナード・バーンスタインの事を誰もが知っている体で作られているためか、名前は知っているけど…程度の知識の私はかなり置いてけぼりにされてしまった。
どこかドキュメンタリー的で、淡々としたエピソードに感じてしまったのはそのせいなんだろうか。
かなりチェーンスモーカーだったというバーンスタイン。
常に画面中にもくもくと煙がたってました。