たま

マエストロ:その音楽と愛とのたまのレビュー・感想・評価

3.5
レナード・バーンスタインと妻フェリシアを描いた、ブラッドリー・クーパー監督、脚本、主演の渾身の作品。

まだまだヨーロッパ中心のクラッシック界で、アメリカ生まれの指揮者として初めてニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の、音楽監督に就任したというバーンスタインは、アメリカ人にとって至宝だったのだろうと感じた。

制作にはスピルバーグやスコセッシの名もあるのには、そんな理由があるのだろうなと想像する。

とにかく、ブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガンがいい。

若かりし頃のバーンスタインの生き生きとした好奇心と、才能溢れる前途有望な若者という感じが伝わってくる。
その後の人生でも、情熱的な指揮、気さくでおおらか、陽気で人たらし、スター性も兼ね備えたバーンスタインが、見事に表現されていた。

バーンスタインと女優の妻フェリシアとの関係が、映画の多くの時間を割いていた。
妻フェリシアのバーンスタインに対する愛情と苦悩。女優としての誇り、病への憤りが、ひしひしと伝わってくる。

レナード・バーンスタインの事を誰もが知っている体で作られているためか、名前は知っているけど…程度の知識の私はかなり置いてけぼりにされてしまった。

どこかドキュメンタリー的で、淡々としたエピソードに感じてしまったのはそのせいなんだろうか。

かなりチェーンスモーカーだったというバーンスタイン。
常に画面中にもくもくと煙がたってました。
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