二兵

マエストロ:その音楽と愛との二兵のレビュー・感想・評価

3.8
ブラッドリー・クーパーは、破滅型の天才を演じさせると、良い意味でハマる俳優だと思う。

『アメリカン・スナイパー』では、凄まじい狙撃能力を保持する天才だが、PTSDに悩まされ、壊れてゆくスナイパー、
『アリー スター誕生』では、才能はあるが、アル中かつ自身がプロデュースしたパートナーの成功を妬んで闇の底に堕ちてしまう歌手、
そして今作では、ヤク中かつ家族との問題を抱える天才指揮者

どうしても『TAR』と比較してしまうが、
どちらも天才と言えど一人の人間であるという点では同じ。そしてパートナー役のキャリー・マリガン(「プロミシング・ヤング・ウーマン」の人ではないか!)のインパクトよ。モノクロの映像で描かれる家族との時間は、穏やかで、遠く過ぎ去ってしまった春を感じさせた。
二兵

二兵