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こどもが映画をつくるときのtntnのレビュー・感想・評価

こどもが映画をつくるとき(2021年製作の映画)
4.2
プロの脚本家や文筆家には書けないパンチラインの連続で楽しい。
「ポンポンから店に入る直前まで絶対いらない!」
「こういう時はボイスパーカッションだ!」
「鉄と木の融合体」
とか。
カンパニー/チームワークが綺麗に実現する部分と、それがうまくいかずバラバラに子供達が行動してる部分が、そのまま映画としての収まりの良さとはみ出してしまう部分になる。
この二つの間を、揺れ動く場面がスリリング。
序盤で赤チームが池に石を投げる場面は、1人離れてる子に一番年上ぽい子が近寄っていて、2人の石を投げる動きがシンクロするまでが、長回しで撮られている。
『ワイルドツアー』は、ドキュメンタリー的要素を多分に含んだ「劇映画」だったことを踏まえると、この映画のドキュメンタリーとしての性質がよくわかる。
どれほど戦略を練ったとしても、ドキュメント、つまりその場で予期せずして起こることの記録でしかあり得ない。
だから実際出来上がった作品を見ても、「実験が失敗してる部分」も割とはっきりわかったりする。
そもそものワークショップがよくできていて、何処までが映画にする過程で生まれた面白さなのかはいまいちわからない。でも見ていて面白いのは確かだから良いのかも。
「なんか、映画作るのって楽しい」という言葉が飛び出すのは、ちょっと出来過ぎなぐらい、このワークショップとドキュメンタリーの勝利を物語る。
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