サトタカ

ニモーナのサトタカのレビュー・感想・評価

ニモーナ(2023年製作の映画)
5.0
ニモーナが嫌う「モンスター」という言葉は、自分たちと違う忌み嫌うべきバケモノを意味している。
おそらくこの作品では、同じ言葉を話さない人や、肌の色が違う人、LGBTQなど性的少数者のメタファーでもあるのだろう。
だからこそ元騎士で片腕が機械化したバリスター・ボールドハートを演じたリズ・アーメッドはパキスタン系イギリス人で、ゴールデンロインを演じたユージン・リー・ヤンは韓国系アメリカ人でゲイなのだ。
「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース パート1」はある意味、3Dアニメーション表現の極北までいってしまったように感じたが、この映画は逆の方向性、何世代か前に戻ったような2D風味の表現になっていて、それが中世&未来の王国という舞台とマッチしていた。
ストーリーは古の階級差別から現代的なSNSによるバズなどを巧みに取り入れながら、友情、裏切り、信頼、愛、死といった大きなテーマを暗くしすぎず楽しげに、スピーディーに描いていて、デビルマン展開が好物のわたしは文句なしの満点評価。
それにしても子どものニモーナ、愛らしすぎた。
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