Masato

ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男のMasatoのレビュー・感想・評価

3.5
アカデミー賞 主演男優賞ノミネート

1964年、キング牧師の「I have a dream」でも有名なワシントン大行進の影の立役者、バイヤード・ラスティンの米国史上最大の平和的抗議の実現に至るまでの裏側を描く伝記ドラマ。

重要な登場人物と専門用語が多いので、予めワシントン大行進については知っておいたほうが良さそう。最初はとっつきにくさはあるけれども、徐々にワシントン大行進のビジョンが見えてくると面白くなってくる。

キング牧師だけではない、様々な人たちの功績あって25万人もの人々を集められ、平和的に行われ終わらせられた。平和的に行われるための抜かりのない徹底的な計画、黒人の中でも主義主張が異なりながらも団結させる苦労、FBIや議員からの妨害などなど、知れたことが良かった。これは人類史上最高のデモなんじゃないかって思えてくる。実際そうだと思う。

そのブレインとなったラスティンのユーモアでありながらも芯は一ミリもブレずに闘っていくが、同性愛を偽ることの苦悩も計り知れない。それでも立ち向う本当にすごい人だなと感じた。並外れたメンタルと頭脳とパッションの持ち主。

法律や憲法が差別を認めないと言っても、肌感覚ではなくなっていない。ケネディの公民権法を情熱という側面で後押しするという目的だったが、それ以上に、圧倒的な数を持って声を上げて、もうそんな時代じゃないんだということを知らしめることで真の差別の根絶を目指そうとしたそのマインドに共感した。
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