まっしろしろすけ

アーチーズのまっしろしろすけのレビュー・感想・評価

アーチーズ(2023年製作の映画)
3.3
観終わった後になにも曲が頭に残らない、音楽に引きがないミュージカル映画。ミュージカルとしては大失敗だけどお話は普通に楽しい映画。

ラ・ラ・ランドの「ANOTHER DAY OF SUN」や雨に唄えばのタイトルトラックのような往年のミュージカルの名作にあるようなキラーチューンが一個もなく、ひと昔前の音楽が印象的な韓流ドラマがフラッシュバックするオールディーズ風と銘打ったただのチープなポップスが要所要所に流れ、それに合わせ主人公たちが踊り唄う。映像的には楽しいしそれはちゃんとこちらにも伝わってくるけど、音楽が如何せんかっこよくないからせっかくのミュージカルシーンがだんだん飽きてくる。観客でさえ踊りたくなってしまうような刺激がなく、「逆によくこの曲でここまで踊れているな主人公たち。」とさえ思う。

あと主要人物が多いからか話の軸がかなり乱立してる印象があって、蛇足とも思えるシーンが散見される。主人公の取り巻きに5人も6人もだすからどんどん話が長くなってくるし、それに加えて本作の敵側にもまた何人か増やすからまたまた映画が冗長になってしまっている。もう少し添削すれば40分位縮められたんじゃないか。140分かける映画には140分の映画なりの責任が伴うはずなんだけれどこの映画はそれがない。

冒頭のサージェントペパーズ風のコラージュや公園を中心に行われるすったもんだも面白かったけど多分1週間後にはわすれてる。

ディジーには幸せになって欲しい。