イチロヲ

ミスター・グッドバーを探してのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
難病ポリオの再発に恐怖している若い女教師が、自由奔放な姉の性生活に感化されていく。模範的な女教師の転落人生を描いている、エロティック・サスペンス。1973年「ロズアン・クイン殺人事件」が物語のベース。「Goodbar」は理想的な男性像をさすスラング。

本作の主人公は、ヒューマニズム(女性らしい生き方)に抗いながら、ウーマンリブと自由意志を貫こうとしている人物。敬虔なカトリックの家庭に反感をもち、なおかつ持病の恐怖と対峙しているため、独自路線の自己実現を目指すことになる。

冒頭部では、大学の堅物教授とのラブラブ生活を脳内妄想するという、トリップ描写が登場。やがて教授が去ると、姉が出入りしているブルーフィルム鑑賞会とドラッグ・パーティに潜入。昼は教職、夜は男狩りという大胆不敵な日常を送っていく。

生々しいセックス描写を、ダイアン・キートンが体当たり演技で表現。アメリカ社会が抱える偏見と抑圧がカオス状態となって押し寄せてくる、刺激たっぷりの逸品。
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