トムトム

沈黙の艦隊のトムトムのレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
3.0
あの長大な人気コミックを映画化ということで「これは上映時間3時間くらいあるんだろうな〜。」と覚悟していったら……

え?1時間53分?
まさかの2時間以内。
「バトルシップ」でも130分くらいありましたよ。
大丈夫?

原作は大好きなので期待よりも不安が大きかったのですがそれは的中しました。

まず時代背景の違いですね。
1980年代後半に始まったコミックですし未だ冷戦さめやらぬ世界の警察を標榜していたアメリカと武力行使に強い拒否感のあった日本が舞台だったので強い印象を残した作品だけに現代を舞台にしない方が良かったのではないでしょうか。

竹下登首相ですからね。

海江田の真意がわからないままと言うのは大きな問題だと思います。

完結させるのは無理だとは思いますがあんな尻切れとんぼで終わったら作品のメッセージが全然違うように受け取られる気がします。

原作で海江田が思い描いていた政軍分離構想や世界政府構想が全く語られぬまま日本の核武装やアメリカ頼みではない自国防衛構想と共に「日本がまず動かないと世界は変わらない。」みたいなメッセージを発するので凄くタカ派感がある作品になっています。

潜水艦映画にハズレなしという格言の通り潜水艦シーンや戦闘シーンは悪くなかったと思います。

ただの会話シーンなのにカメラがフラフラと揺れるのは気持ち悪かったですが。

大沢たかおは良かったです。
声がいいです。
ただ「キングダム」と公開が近いのでいつか「ンフフフフ」と笑い出しそうで気になりました。

玉木宏もいいんですが深町は少し合っていないというか江口洋介のほうがまだ合っていると思います。

中村倫也とか上戸彩はもったいない使い方でした。

本当に終わり方は本当に噴飯物です。
てっきり続編の予告が入るのかとEDロール後までちゃんと待っていましたよ。

「沈黙の艦隊」が不人気で10週打ち切り漫画だったらこんな感じかもしれません。
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