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沈黙の艦隊のギャスのレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
3.1
原作コミックを読んだことがあるが、あの長い物語をどう映画にするのか興味があった。実際には最初の数巻分であり、完全に続編ありきの突然すぎるエンディングには少し拍子抜けしたがそれはまぁ予想通り。まだまだあの原作の"志"を描くところまでは届かない様子の第一弾だった。
VFXは素晴らしい出来で臨場感があり、海江田のミステリアスさを全面に出したキャラクター作りは成功していたと思える。




それにしてもこの実写化は、最後の最後まで続けないとこの物語の意図を描けないと思うのだが、息の長いシリーズにするつもりなのだろうか。世界における日本の存在感(政治も経済も)や政治家への信頼や志の高さ、ジャーナリストの行動力など、原作の物語上重要なポイントとなるこれらのことが今や現代日本において成立していないため、この映画が荒唐無稽すぎてしまわないかかなり心配ではある。

あと現代の視点として女性を入れてあるのはギリギリだがセーフだったのでは?原作の"世界"、つまり軍や艦内という意味ではなく文字通り世界中では、女性の存在が限りなくゼロだったのは、あまりに異様でいびつだった。(漫画のモブシーンにさえほぼ登場しない。他には子供を産む役割として言葉で。さらに母という存在意義だけでワンシーン、など) つまり男だけの世界の陶酔感に溢れていて、せっかくの高揚感ある物語もそれによって醒めてしまう感じだったので。
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