おりひめ

沈黙の艦隊のおりひめのレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
4.6
物語 6点
配役 10点
演出 10点
映像 10点
音楽 10点
---合計46点---

日本のみならず世界が抱える様々な問題に鋭く切り込み、大きな爪痕を残して「やまと」は深海に消えてしまった……。鑑賞直後の感想は「判断が難しい」だったが、続編の構想ありきの作品と舞台挨拶で発言があったそうなので、物語の点数は低めな評価とする。だってオチが無いし、大作の序章を切り取っただけなのだもの。最初から三部作構成等と発表されていたら違ったのに。

もしこれ一本で完結とする気で作っていたら、私は本作を満点で評価としたと思う。そのテーマ故に、オチの付けようがないとも言えるからだ。海江田が言う通り、核保有国で牽制しあっていても真の平和なんて訪れていないし、今まさに核保有国が小国相手に戦争をしていて、これらの現実に存在する問題に我々が答えを出せない以上、この作品に結末は無いのだ。

物語自体の評価は上述の通りだが、映像も音楽も迫力満点で映画館で観てこそだった(ちなみに人生初のIMAXでの鑑賞となった。作品の特性故に、IMAXで観る価値は高かった!)。演者の演技も申し分無い。常に微笑みを湛えた大沢たかおと、魚雷戦の中で優雅に鳴り響くモーツァルトの不気味さは異常。狂ってるよ全く……。
思うところはあるが、サスペンスとして大変に楽しめたので満足。本当に続編が作られるなら観に行くだろう。
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