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コット、はじまりの夏のせっのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.3

兄妹が多く、母親も出産間近で貧困にも喘ぐ一家の真ん中の娘コットが夏休みの間親戚の家に泊まることとなり、そこで成長し、親戚夫妻と絆を深める話。

父親からは邪険にされ、母親は手一杯で面倒を見きれなく、人間関係を育むのが苦手なコットは、気まずかったり怒られたり嫌なことがあるとすぐに走って逃げ出す癖がある。コットの境遇が可哀想とはいえ、牛乳がかかってスカートがびちゃびちゃになったのは少しは自分のせいでもあるし、怒られるのも少しぐらいは駄目な所があったから。

そんな風に逃げるために走っていたコットが段々誰かの元に戻るために走るようになり、最後は大切な人を追いかけるために走る。コットがこんな風に成長できたのも、ショーンの見事なアメとムチのおかげかなと(笑)怒った後にはショーンも自分が怒ったことの非を認めて、コットを絶対に甘やかしてくれる。

このショーンの不器用さが、劇中でも出てくるハイジや赤毛のアンのおじいちゃんとめっちゃ被り、ぶっきらぼうだけど実はめっちゃ優しいTheオンジなショーンがめちゃくちゃ良かった。

というかコットの家庭、子供は財力を食い尽くすとか父親がボヤいてたけど見境なく孕ませたのは誰やねんと思ったわ。あとまぁ何人も産んでるのは、息子がずっと欲しかったんだろうなぁっていうのもあって、それで下の方のコットが1番不運なの状況的には納得してしまう。

だから、亡くなった息子の服を着させ続けるアイリンをショーンが怒ったのは、自分の息子の服を着させ続けるのが嫌だったのではなく、女の子故に放置され気味なコットにまだ尚男の子の服を着させ続けるのは良くないと思ったってこともあるのかなと。
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