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コット、はじまりの夏のnamのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.4
「1人の少女が田舎の生活で芽生えていく生きる喜び」

とてもよかった!素敵な作品です。
わずか95分の作品ですが主人公の少女コットと田舎のおじさんとおばさんとのゆったりとした時間の中での生活は3時間でも4時間でも見ていたくなる居心地のよい映像でした。

育児放棄気味な実の父親と母親に一夏の間、押し付けられるような形で預けられるコット。自分の家でも学校にも居場所がなく無口な彼女が田舎での親戚たちの生活の中で徐々に打ち解け交流していく様子が、映像の美しさも相まって実に心地がよかったです。

井戸の水を汲み、牛の世話をして、料理の手伝いをすることの繰り返しかもしれないがちょっとした表情ややりとりの変化で、警戒していたコットとおじさんおばさん達との関係性の変化を読み取らせる、説明しすぎない演出もとてもよかった。

最後の終わり方も非常よい。
展開こそ少ないが、荒んでいた心が美しく癒されていく様子を見ながら、自らの心も洗われるような気持ちで多くの方にオススメできる作品です!
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