アーモンドフィッシュ

コット、はじまりの夏のアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
3.9
シネ・リーブル梅田での映画二日間、まずは「レザボア・ドッグス」でクールな刺激を味わい、続いて今作「コット、はじまりの夏」で心を温めました。スピルバーグっ子の私にとって、ヨーロッパ映画の繊細さや独特な雰囲気に少し躊躇してたんです。だけど、この映画、想像以上に心に響き、最後はもう、涙なしではいられなかったですよ。私も小さい頃、夏休みの間だけ祖父母の家に預けられたりしてたので、コットの最後の行動はすごくわかります。

映画は、あまり話さない、感情を表に出さない少女コットの夏休みを描いています。彼女は静かな存在ですが、牛と一緒にいる時に笑顔が見られるんですよ。まるで、牛との無言の交流を通じて、自分自身を見つけているかのようです。

アイルランドの田舎を背景に、コットは家族から離れて親戚の家で夏を過ごします。新しい生活で彼女は、愛されること、居場所を見つけることの大切さを学んでいきます。映画は、コットの成長を、彼女の行動や表情を通して丁寧に描き出します。

そして、映画でアイルランド語に触れるのは新鮮な驚きでした。この言語が物語に独特の魅力を加え、文化的な背景をより深く感じさせてくれるんです。自然豊かなアイルランドの風景と共に、コットの内面的な旅を美しく映し出しています。

ただの成長物語で終わらず、深い感動と考察を促す作品になりました。家族の絆、愛、そして自己発見のテーマが繊細に描かれ、見る人の心に残ると思います。