seapoint

コット、はじまりの夏のseapointのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
2.6
IRのどこかしら。全編ゲーリック?珍しい。この夫婦、静けさを好むと言うか大してTVや音楽の音もないし、周囲は牧地だからホント静か。演出も余計な効果音なんか入れないから、静けさも含めこの土地の良さを十分に映し出している。
この夫婦に合致するかのようにコット登場。大人しくて、そりゃ最初はぎくしゃくするが、彼らは息子を亡くしているが、彼女が彼の代わりというわけでもない。アイリーンは丁寧にコットの髪をとぎ、ショーンはぶっきらぼうな優しさ。そう、姪っ子ではなく娘のよう。

子供は感受性が豊かだから自分への扱いに敏感。ぞんざいに扱われるか否かで自分の尊さを知る。実の両親を非難している訳ではない。家族が多いから、経済的に苦しいから、それでも実子だもの、絶対に手放さない。コットとショーンの慈しみある心いっぱいのハグは後がないからである。双方それはわかっている。夏の終わりに心に大きなものを残す。
seapoint

seapoint