小清水美里

コット、はじまりの夏の小清水美里のレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
3.4
木洩れ陽とか木々とか車窓にもたれかけるコットとか映像が美しかった。

学校にも家にもなんだか馴染めない静かで控えめな女の子のコットがひと夏親戚夫婦に預けられ自分の居場所はここだと走り出す物語。

主人公コットが、あんまり笑わないかつ喋らないかつ大人しい性格だけど"素直"なのが肝。
じゃなかったら今後の人生、コミュニティに馴染めないんじゃないかと心配になる。友達の牛乳飲もうとしたりとか闇感じる。
大家族でお姉さんたちは少し意地悪だけど、別にそこまで深く傷つけられるシーンはないから、かなり繊細で自分の感じる違和感にそれこそ"素直"なんだろうなと思う。

【親戚夫婦のコットに対する態度の違い】
妻アイリンの海のような優しさに対し、夫のショーンの無愛想さにはちゃんとした秘密があり、観てる私たちにもきちんと明かされるところがスッキリする。
そして、ショーンがコットに夏の間、駆けっこをさせたことが、最後のショーンとコットが離れ離れになるシーンに繋がるのも好きポイントでした。


全体的に穏やかな映画なので、よく映画館で寝てしまう人には勧められない。
小清水美里

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