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コット、はじまりの夏のTのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.0
スタンダードサイズ、低い視点のショット、車から見上げる木々と木漏れ日。子どもの視点から描かれる悲しみと希望の物語。

ショーンとコットの関わり方がすごく良かった。ショーンも傷付いているはずだけど、コットのことを大切に思っていることが随所に感じられた。
「何も言わなくていい。沈黙は悪くない。」というセリフが重要だと思った。沈黙することは時に自己防衛にもなる。そしてこのシーンの前に語られる死んだはずの子馬が生き返るという話はコット自身のことを表しているように感じた。

夏が終わり秋になり、また何も変わらない日常が戻ってくるのだろう。そうであっても、誰かに愛され、認められ、大切にされた記憶がコットを強くし、何かあった瞬間に走り出す勇気を与えてくれたに違いない。
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