アカデミー 短編実写映画賞ノミネート。
人けも少なくなった夜のルクセンブルク空港。最後の一つの小型赤いスーツケースがターンテーブルを回る近くで、ヒジャブを被った少女が一人。
父からの電話に、遅延があってこれから出るところと答える。
少女は赤いスーツケースを強く抱きかかえ出口へ向かうが、何かに怯えているようで、外へ出れない。
通りかかった係員にスーツケースの中とパスポートを確認される少女は、イランから来た16歳で、ケースの中には彼女が描いたらしいデッサンや絵画用具が。
少女は他の乗客が出ていく出口の外をちらっと確認すると、トイレへ向かい、涙をこぼしながらヒジャブを外し、髪を解き、いよいよ出口へ向かい・・・
少女の緊張感が伝わる前半から、中盤その理由が分かってからの更に胸の痛む展開。。
ヒジャブ問題で改めて世界の注目を集めるタイミングを捉えた、男性支配社会イランでの女性の現実を伝える、イランの男性監督による意義ある短編です。
予告編（英語）
このトイレのシーンでの彼女の表情と、哀愁のエンディングテーマソングが沁みます。
https://vimeo.com/756124858
