んたん

パスト ライブス/再会のんたんのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ニューヨークが舞台の映画はなぜ好みのものばかりなのか。
雨上がりの画とかソールライターのような洒落気があった。

恋愛ドラマで珍しく気に入った。感想に書き起こしたら普遍的なラブストーリーでもあったことに気づくけれど、正直さが良かった。

物理的な距離の遠さ、身を置く文化の違い、互いの知らない空白の時間、人生における優先順位、すれ違う要素は沢山ある。二人は何度も、定義できることもないままに関係性を失うから切ない。

現世を越えた縁を表す인연というキーワード。恋人関係にはならなかった二人を結ぶ、彼らの間柄ではこれ以上ない愛情の言語化に思えた。
行動には踏み切れなかった諦めから、壮大で曖昧な精神的つながりに委ねたと言えばそれまでだけれど…。

本来の意味とは異なるが、出生名も置いて移民として長く英語社会に生きてきた現在のノラにとっては、韓国でヘソンと過ごした幼少期は既にpast livesなのかもしれない。
ノラはそんな過去に取り残されていたナヨンの記憶をヘソンと再会したことで懐古する。
出会いや別れを幾度繰り返しても、記憶とまでも決別する必要はないことを思い出さされた。
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