このレビューはネタバレを含みます
非常に切なく美しい映画…極上の赤ワインの味わい。今作は宿命・縁（イニョン）についての物語だが、ある意味、どストレートな恋愛映画なので、近づいたり離れたりしながら、想いは「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら」と揺れる。ナヨンとヘソンは12年…24年と時を超えて再会しながら「時は音をたてずに2人つつんで流れてゆく」。そして、誰しもが多かれ少なかれ好きになった人に持つ感情…運命的に出会った・前世から決められていた…云々を今作はそこまで劇的には描かず、美しい映像の中で淡々と、人同士の縁（イニョン）として表現している…流れる熱い涙も鬱陶しい後悔の表現も少ない…そこが抜群に良い…それに2人以外にもう1人関わるアーサーも凄く良い「あなたに会えて本当に良かった」。2人はお互いに何かを感じながら揺れながら、12歳のあの頃の気持ちを噛みしめながら、その素晴らしい気持ちをそれぞれの心には大切にしまい込んで2人で葬り去ろうとしている様に見えた…それでいいと思う…「愛したのは確かに君だけそのままの君だけ」。こんなに瑞々しく美しく、そして切ない映画は久々に観ました。
今年ベスト級。
