めー

パスト ライブス/再会のめーのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.8
初恋に関する恋愛映画でありつつ、選ばなかったまたは選んだ選択の積み重ねで今の自分が構成されているという人生の映画でもあったと思う。ヘソンと再会した後、すごく韓国人らしい韓国人だった、みたいなことを言うセリフはノラ自身のアイデンティティの確認でもありつつ惹かれる気持ちを抑えるために自分に言い聞かせているようにも聞こえた。
ノラの夫もとても良くて、寝る前に話すシーンはとても印象に残った。本人が意識していなくても、移民として二つのアイデンティティを持つことはこういうことなのかもしれない。レストランで夫とヘソン2人だけで話すシーンも良かった。
(対して、ヘソンの韓国での飲み会シーンは新橋の飲み屋での会話を聞いているようで妙なリアリティがあった)

「イニョン」の話の件で、ビフォア・サンライズで輪廻転生の話をイーサン・ホークがするシーンを思い出した。詳しいセリフは全然覚えていないけどもっとドライな質感だったような気がする。自分としては、イニョンの考え方の方が馴染みがありしっくりくる。

主人公たちがほぼ同世代で、自分も大学時代にDVDを借りてエターナルサンシャイン見たな〜、とかSkypeの着信音懐かしい!とか細かいディテールにもグッときてしまった。
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