パスト ライブス／再会のこみいのネタバレレビュー・内容・結末

（エターナルサンシャインのネタバレ含みます）

・エターナルサンシャインが好きなナヨン
輪廻転生という言葉があるが、ヘソンとナヨンは12年周期で接点があり、その度に一緒にはいられなかった。
そして、3回目、36歳で縁がないと互いに悟り、ヘソンが今世でのお別れを伝えて去っていった。
うまくいかない繰り返しは、作中で言及されるエターナルサンシャインのようであり、エターナルサンシャインでは描き切られなかった結末を見ることができたような気がした。やはりうまくいかないものはいかないという現実的な結末や選択だ。
ただ、エターナルサンシャインと違うのはアーサーという存在がいることであり、彼が「僕たちの出会い、物語はたまたまで平凡だ」といったことを話すが、エターナルサンシャインのモントーク（＝登場人物の出会い、再会の場）を口にするナヨンにとっては、偶然出会えたアーサーとの人生はちゃんと運命的であり、ナヨンはそのように感じているのではないだろうか。

・バーとタクシーのシーン
バーでの韓国語を通じた２人の会話やタクシーを待つ間の別れ際の会話から、ヘソンはNY滞在を通して、ナヨンを諦めること、つまり現世では縁がないと確かめることができたとわかる。この旅の意味合い、終着点はそこだろう。
そのヘソンの諦めや受け入れを手伝うように、ナヨンも「あの少女はあなたのもとに置いてきた（もういない）」といったことを伝える。
しかし、最後の家路のシーンでナヨンは泣き虫少女のままであったとわかる（この部分で胸が痛かった）。
ただ、泣いている理由も含めて受け入れてくれる夫がいるから救われる、その存在があるからヘソンも諦められたし、ソウルへの帰路で泣いていなかったということでしょう。
また、移住してから泣かなくなったとナヨンは言っていたので、最後の家路は泣ける場所ができたということを表すシーンでもあったのかなと思う。