12歳で離れ離れとなった男女が12年越しに繋がり、そこからさらに連絡を取らなくなって12年後に24年ぶりに再会を果たすエモストーリー
「秒速5センチメートル」の2人が会っていたらどうなってたかみたいなストーリー
カメラワークや画面構成はとても好き
冒頭で第三者視点で始まることが明示されるように、客観的な視点での長回しが多く、2人の関係性を俯瞰的な視点で見せてくれるカメラワークは日常の一幕でありながらその瞬間は2人だけの世界が構築されていつつ、絶妙な距離感がある様を印象づけられた
また特に2人だけで向かい合って話すシーンでは2人の間に柱や床などで境界線があったり、幼い頃は向かい合う人のアートのとこで話していたのが再開した時には逆を向く人のアートのとこで話しているなど、2人の気持ちと裏腹に絶対に超えられない境界線があることが背景から伝わり切なさと美しさを感じる構図が多かった
特にラストのタクシーのシーンでは境界線をタクシーが消すことで、あの一瞬は2人は同じとこに立っていたのだなというエモさがあった
序盤は主人公の女性視点で感情が描かれるのがほとんどであるが、後半はむしろその周りが感情の主体となっていたことで違和感を感じてしまい、好みなテーマなはずなのに感情移入ができなかった
また、俯瞰的な視点を入れたこともあり比較的感情が抑制的であるが故に、全体的にのっぺりしていて作品に入り込むということが難しかった
複雑な感情であることは大きくは描かれていたが、複雑だからこそ俯瞰的な視点のせいで感情の解像度が低かった印象を持ってしまった
夫が一番立場ないよな
