Miri

パスト ライブス/再会のMiriのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.0
セリーヌ・ソン監督自身の移民としての実体験を元にした物語。
幼少期に韓国からカナダに移住することになった、ナヨン(ノラ)が大人になって、結婚してから韓国時代に好きだったヘソンと再開する物語。前半はナヨンとヘソンの幼少期、12年後の大学時代にFacebookでお互いを見つけ連絡を取るまでを描く。後半はそのまた12年後、ノラはアーサーと結婚した後、NYに訪れたヘソンと再開するまでを描く。

ここ最近、『パラサイト』のポン・ジュノ監督のインタビューやアジア系アメリカ・カナダ人の考え方や発言等を目の当たりにして、海外で育ったアジア人とアジア人の違いというのを感じるようになった。これは文化的な違いもあるが、どこがホームかというのも発言の要所要所に感じられる。これは劇中のノラとヘソンのコミュニケーションの違いや考え方の違いというのが演技から伝わってくるように思えた。

私が個人的に共感したのは、私自身の帰国子女で幼少期に海外に住んでいた経験により(移住ではないため少し違う部分はわかっている)、海外の友人との別れ、Facebookによるその当時の友人の再開、自身のアイデンティティとは?についてこの映画を通してなんだか思い出させてくれた作品だったように思える。
また劇中で使われている「縁(イニョン)」について、私自身も運命や因果、輪廻転生について信じてしまう部分があり、この作品を見てこの感覚ってアジア的(仏教的)なのかもなと改めて感じた。

最後のUber待ってる一連のシーンは、ノラに感情移入して涙が止まらなかった。
Miri

Miri