藍紺

パスト ライブス/再会の藍紺のレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.3
恋愛物ならパスかなと思ってたけど、信頼しているレビュアーの方々が絶賛してるので鑑賞。

結論。観てよかったです皆様いつもありがとうございます!!!

『恋愛物』というより『出会いというか縁(えにし)物』という印象だった。冒頭、入りのシチュエーションから掴みがとても上手い。脚本から映像表現からどれもこれも過剰なところがなくて流れるようにスマート。特にカット、人物と背景のバランス、アップと引きの使い方とかいちいち素敵だなーと思わされる。映画の技術的なことは一切分からない素人だけど、そんな自分から観てもセリーヌ・ソン監督の非凡さが十分に伝わってくる(でもこれは撮影監督が凄いのかな?)。登場人物の表情が逆光だったり暗くて分かりにくかったりする箇所もあるのだけど、それが一層、こちらの想像力を掻き立てられたように思う。

ラスト10分はズルいな。というかラスト5分、泣き出さずにはいられなかった。客席のあちこちでズルズル鼻をすする音がしてた。

過去と現在、前世と現世、そして来世。
道をただ歩くだけのシーンにも様々な仕掛けが散りばめられていて細部へのこだわりも見事。
ジョン・マガロ演じるアーサーの切ない心情に思わず感情移入。でも最後には彼の強くて優しい大きな愛にやられてしまいました。
藍紺

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