フクロウ

パスト ライブス/再会のフクロウのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.6
ラスト、直前のタクシーを待つシーンでの二人の間に挟まる「一人分」の空間、抱きしめてキスしてもおかしくないその時間を耐える二人。アーサーのところにノラ(アニョン)が歩いて行って泣くところで、押し殺していたどうしようもない気持ちがわかり、こちらも泣く。

24年前(12歳)の私たちも、ううん、12年前(24歳)の私たちも、まだまだ子供だった。でも今(36歳)は大人。だからこそ、賢い。賢いが、しかしその「一人分」の空間を超えられない。超えてよいわけでもないのだが…

袖触れ合うも多少の縁という観念が韓国にあるのがわかって面白かった。東アジア文化圏!

そして、そういう、恋愛や結婚に“成就”しない関係性もまたあるし、あっていいんじゃないかと思わせられる作品だった。千早茜『男ともだち』のような。
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