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パスト ライブス/再会のNのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ノラが終始向上心と自信を持った自由な人で、アーサーとヘソンがノラに惹かれていることに説得力があってよかった
江國香織の『冷静と情熱のあいだ』を思い出したりしたけど、この映画はノラが揺れながらも地に足がついていてぶれないのがかっこよかったし、そこが魅力だなと思った(江國香織の小説に出てくるような女性も凄く魅力的なんですけどね...) 最後のシーンも変にロマンティシズムに回収されないのがリアルで誠実だった 私はラ・ラ・ランドより好きでした

ノラとアーサーの、「私を知らないの?」「君を知ってるよ」というやりとりと、バーで「君が君だから好きになったんだ」とヘソンがノラに言うシーン、
アーサーにもヘソンにもノラと過ごした違う時間があるから、ここで2人が言う「君」は多分少し像が違うんだけど、でも紛れもなくどちらも本当のノラなんですよね それだけ奇跡的で宝物みたいな「縁」があったということ
3人共とてもいい人で、誠実にお互いと向き合っているのが苦しくもあり、けれどかなり救われるところだった

恋愛映画としても凄くよかったけど、移民としてのノラが自分の軌跡を辿る話にもなっていた ヘソンとアーサーは、幼少期にソウルで過ごした自分と、移住してから形作ってきた自分のメタファーでもある

ショットも情感たっぷりで、子供時代の分かれ道に立つナヨンとヘソンに代表される、2人を半分に分けるショットが多用されていた 逆光の中に浮かぶ人影のショットや、定期的に挟み込まれるニューヨークとソウルの風景もよかった〜

凄く残るかというとそうでもなかったけどそれは私の人生経験の問題な気がした 30代になったらもう一回観たい
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