わかめ

パスト ライブス/再会のわかめのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

映画館で聴く雨の音が好き
ナヨンやヘソンが世界中の街を移動する時、すぐ物語の続きが始まるのではなく、新たな場所自体にフォーカスしたカットがきちんと挟まってたのが良かった!
モントークの作家が集まる所綺麗で、窓の前に机置きたいな〜と思った


よくある恋愛ストーリーとは違い、主人公の夫アーサーが自分の立場に自覚して焦りを感じるがその不安をきちんと言葉にして相談出来る点、主人公達が大人になってみんな互いを思いやりつつ話し合いが出来る点が観ていてとても気持ちが良かった(話し合いがあったお陰で、変な勘違いや、思いのすれ違いが起きずに済んだ)


映画のテンポが好きで心地よかった
なんかベタな恋愛映画っぽいシーンだけど、24歳の2人がSkypeで話する所がなんだか微笑ましくて好きだった。会いたいって言った後に、電波が届かなくなっちゃうのも。『エターナル・サンシャイン』ネタも出てきて嬉しかった。好きな人が紹介してくれた映画は観たいよね。


この作品では韓国とアメリカで生きること、それぞれの国(特に韓国)の特徴が描かれてて、文化の視点からでも楽しかった
例えば、韓国では成人しても両親と住み続けたり、兵役があったり、銀色のカトラリーを使っていたり、『パラサイト』のポスターみたいな家族写真が家に飾られていたりして、ステレオタイプなんじゃないかな、、!?っ思うくらいには”韓国らしさ”があったな、という印象
ソウルの坂道の街並み、既視感あるなと思ったら『別れる決心』だった
あと、上海でのシーン、あまりにもネオンが多かったり、彩度が高くて、ステレオタイプ(外国人が上海と聞いたら、想像するであろう上海)をここでも感じた(視聴者に伝わりやすいように意図的なのかも知れないけれど)
ウォン・カーウァイっぽい色味だったな〜


ナヨンは、会いに来た初恋の人に、あなたは12歳の頃の私の面影を見ているみたいな事を伝えたり、夫に駆け落ちするかもって冗談に言ってたりするくらいだったから、初恋の彼の来訪に、あまり心が動かされないのかと思っていたら、最後のシーンで、初めてニューヨークでCry Baby になってたから、驚いた。お別れするまでは、夫を不安にさせないように少し気丈に振舞ってたのかな、
でも彼女の涙で、彼女にとっても初恋の人との再開は大きいものだったんだなってことが伝わってきた

でも彼女の側に居て寄り添うのは、子供の頃泣いている時にいつもそばに居た人とは違う人物なんだよな、
となり切なくなった

ナヨンの涙につられて泣いてしまった
エンドロールの余韻が良い
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