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パスト ライブス/再会のneokamakiriのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.5
アカデミー賞作品賞・脚本賞ノミネートの大人のラブストーリー。ドラマ的なことは起こらないし嫌な大人も現れない、実話かもと思える優しさに溢れる佳作。
“イニョン”という考えが何度も出るが、一期一会の人生感の私にはとても響く。セリフは極力おさえ、表情や細やかな動きだけで、心の動きを捉えるところも現実味溢れる。

誰もが経験したことあるはずの恋が始まりそうで始まらない、すれ違いや巡り合いのシーンを切り取り、胸が熱くなるところは多い。やや未練がましいと思えなくはないが、そういったシーンを敢えて描かないことで、ピュアかつポジティブなストーリーに仕上げる。ニューヨークと韓国の街並みや空気感の対比も良い。特に序盤の階段シーンは、(珍しく)いかにも映画的であるが、印象深い。何回撮り直したか、というラストの秀逸な間も忘れ難い。

マイナスは、視点が女性寄りで共感しきれない点。
主役のヘソンが逞しく見えず、むしろアーサーの懐の深さに強く共感を覚える。女々しく未練がましいのが男の常だからしょうがないが汗
またその元凶たる、思わせぶりな振る舞いを続けるノラに感情移入できな。MEGUMIのようなキリッとした顔立ちは悪くない。ただ気が強くて自分が可愛いくて仕方ない女性像そのままで、これに振り回された経験のある男子目線では、共感しづらい。一般的にはもう少し点が高いと思われるが、私はこの点。
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