み

パスト ライブス/再会のみのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
5.0
ララランドを彷彿とさせるストーリー、
ソウルとNYに生きる幼馴染との再会、
24年の歳月の洗練された描写、
何もかもがどんぴしゃ好み。
詩的かつ無駄がない脚本は、是非ノミネートだけでなくアカデミー脚本賞を受賞してほしいところ。


「自分が夢を叶えるために選んだ道は間違っていなかった、目の前にいる人を変わらずに愛している。」
ナヨン/ノラは24年も自分を追いかけて魅力的になった大人のヘソンと再会して、自分にそう言い聞かせているように見える。

ナヨンの夫アーサーは、ノラを心から愛しているからこそ、韓国語を話す本当の彼女には決して辿り着けない事を分かっている。幼馴染のヘソンと再会して自分は捨てられるかもしれないと自信を失って恐れを抱いている。

ヘソンはどの恋人と出会っても、突然自分の人生から居なくなった初恋の12歳の少女が忘れられず、来世では縁が結ばれることを願っている。


3人の人生、縁、タイミングが交錯する24年を、106分でスッキリとまとめあげていてとても見やすく、最後まで爽やかで美しい。

最初で最後の再会だったかもしれなくても、自分の人生、パートナーを自らにとって最良にするのはいつだって自分自身の選択を積み重ねた結果だと思う。
「人生で1番好きになった人とは結婚しない」とはよく言われるものだけれど、
自分のやりたい事を突き詰めた先に運命の相手はいるのではないか。
叶えたい夢と運命の相手は両立出来ないのか。
私は欲張りなのでそんな事を思ってしまいました笑

ララランドはお互いがいたからこそ叶えられた夢、
パストライブスは夢を追いかけた結果一緒になれなかった忘れられない人
どちらもifの世界に思いを馳せる所は同じだけど違うところはそこかな。
み