幼馴染のノラ・ヘソンの恋愛物語。
終始、ヘソンのダメ男っぷりにイライラさせられる。
ノラの移住で離れ離れになった二人は、24年もの歳月を経てようやく再会を果たすのだが、相手への強い思いがあれば、多少の障壁なんてどうにでもなろう。飛行機で会いに行くことくらい、容易いことではなかったのか。
再会後も、あのときこうしていたら・・・と過去を省みるヘソン。しまいには来世に期待する始末。現実逃避そのものである。
今の恋人に対しても、自分は釣り合わない男だとかウジウジ言っている。こんな卑屈な男はさっさと見切りをつけたほうが良い。
でもね、人生、やった後悔よりやらなかった後悔が多いもの。ほんの少しの勇気が出せず前に踏み出せないなんて(私は)しょっちゅうである。
あるかどうかわからない来世への期待は、そんな弱い人間に許された、救いのひとつなのかもしれない。
バーでの会話や夫婦の寝室での会話等、特別なセリフはないが、グッとくるものがあった。
等身大の人間を映した、良質な人間ドラマである。
