パストライブスとは前世の意味で輪廻転生は仏教の教えからくるもの。そのせいでビフォアシリーズやララランドのようなハリウッド的恋愛映画でなく、もっと馴染みが深い岩井俊二やマチネに終わりに、アニメだと秒速5センチメートルの世界観に近い。
ifの世界に浸る幸福感と喪失感。ただ邦画と違うのはニューヨークの移民の描き方。田舎から上京した恋人に会いに行くのとは違う。3人目の主人公であるヒロインの夫もユダヤ系アメリカ人。この夫アーサーの最も感情移入した。
映画だからってドラマチックな事件も起こらない。でもそれだけにリアルで切ない。いい余白と余韻を感じさせてくれるいい映画だった。
エターナルサンシャインがモチーフとして出てくるところも良かったし、音楽も良かった。A24、流石世界のテアトル新宿系。