塩湖

パスト ライブス/再会の塩湖のレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.5
主要人物が作家、という設定がここまで活きた映画が存在するのか。駆け落ち路線がストーリーの紋切り型であることを完璧なほど承知しているノラとアーサーの対話・視線の交流は、毎秒がきめ細かく、そのなかで「韓国的な男らしさ」があると陰で評価されるヘソンの逐一揺れうごく佇まいはこの上なく美しい。映画『エターナル・サンシャイン』のさりげない引用がその後のアーサーの「きみの寝言はどれも英語じゃない」みたいな台詞と結びつく気もする。夢の中の、けっして他者がたどり着くことのできない領域をめぐる思考。過去へのまなざしはきっと本人にも自覚しきれない。だが、過去は過去、いまはいま。これは『PERFECT DAYS』の親戚?
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