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パスト ライブス/再会のmasatのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
2.3
え?会うまでの話!?
と、驚く。
そして、それをやり遂げる訳だが、
リアル過ぎてマジカルな気分からは程遠い。

いま流行りらしい“A24”の作品としては、同じくアジアン・ムービーの『ミナリ』(20)で酷い目にあったから、構えてしまった。

が、
かの“killer film”が制作した作品とトップクレジットを確認し、一気にテンションは上がり、もしやLGBTQに纏わる話なのでは?と逆に構えたが、違いました。
そして、かのクリスティーヌ・ヴァションやパメラ・コフラーが健在で良かった、と確認。良い意味で意識高い系先駆者の彼女たちが本作の何に魅かれ、何を目指したのか、を聞いてみたい。剥き出しだったあの頃、いまは萎えた自分自身から湧き上がった、失われた時に対する邂逅、なのであればとてもよく解る。死ぬ前にやたらと過ぎる過去の夢、と言う具合の現在の自身と、アジアの新しい才能とのジェネレーションを超えるクロスへの実験・・・老いてなお盛んな荒々しさを見せつけられたかの様だ。

そんな彼女たちの感覚が、所々溢れるが、そうズバぬけている訳ではない。
それでもラスト2シーン(見送り帰りと、橋を渡る)は、なかなかグッとくる、威信をかけようとしたラストだった。

兎に角、主役二人がどうにも吸引力がなく、観ていられない。サンダンスにゴロゴロしている俳優。ただ、『ミナリ』よりは、段違いに愛らしい。
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