アカデミー賞関連の作品はあわないことも多いが、これはスッと心に入ってきた。
女性側がサバサバしている一方で、男性側がちょっとナヨナヨ。
「あぁ、この男女の関係性はリアルだな〜」と感慨深くもなる。
主演女優はMEGUMI似。
“離れ離れになった幼馴染が大人になってからの再会”というあらすじだけど、実際は20代の頃にビデオ通話で良い雰囲気になるという、ワンクッションを挟む。
距離の問題、仕事の問題が重なり、離れてしまった事が運命を分かつ展開…
時の流れは残酷だ。
誰しもあるよね？あの時もう一歩踏み出していれば…と思うこと。
後悔と葛藤、また会える喜びが融合した感情に“イニョン”が絡み合う。
イニョンとは日本語で言うところの“縁”や“運命”を指す言葉。
NYで再会し、視線を交わす2人。
久々すぎて、何を話していいかわからなかったのに、すぐ元の関係に戻れちゃう存在は幼馴染だからこそ。
でもノラには旦那さんがいて、当然恋はできない。
相手に何を求めているのか、求めて良いのかすらわからない不確かな気持ちが伝わりゆく、静かな会話劇。
答えはもう決まっているのに…慈しみの時間が粛々と。
『大人のラブストーリー』の謳い文句がピッタリ当てはまる、ビター・スイートな恋愛映画でした。
忘れられない恋に思いを馳せつつ、鑑賞してみてはいかがでしょうか。
