さよなら僕のマクガフィンたち

パスト ライブス/再会のさよなら僕のマクガフィンたちのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

PASTとLIVES
この物語で僕は運命を阻む邪悪なアメリカ人の夫だ
ねえナヨン もしこれも前世で 僕たちの来世では今とは違う縁があるなら
その時会おう

美しい人生の話で、人生を全肯定する映画です。
人物の立ち位置、カメラワークがストーリテラーであるのはいくつもの優秀な解説にある通りです。

なんというか、ヘソンとアーサーが拙い韓国語と英語でお互いを分かり合おうとするシーンが尊くて尊くて。大切なノラにとっての大切な人を理解する気持ち。嫉妬とかそういう次元の話ではなくて、ノラの知らない部分を理解しようとする愛することの話。なんといってもアーサーが弱くて強くて。素晴らしい。本当に感動的です。

バーでのシーン。そしてUBER待ちの長い長いシーン。どうなるかどきどきして過呼吸になりそうでしたが、この結末の美しさよ。
ノラはどちらの方向に走って行って、そこに誰がいましたか?
ヘソンはどちらの方向に向かっていましたか?

感動です、本当。思い出し泣きするくらい。

Ifもしも・・・の話。「捨てたものがあれば、得るものもあるはず」というノラの母親の言葉も印象的だ。
そしてそのIfもしもの繰り返しこそが人生であり、何かの可能性を捨ててかけがえのないものを手にして、今の自分がある。それはゆるぎない事実であり、全肯定すべきものだと思うのです。