「縁」って超愛おしくもあるし、切なくもある存在。
出会いと別れに対する感情がとても色濃く、丁寧に描かれた作品だった。
最後のノラがヘソンを見送り、アーサーの元へ帰った瞬間、ありとあらゆる感情がどうしようもなく溢れ出してしまうシーンではひどく心が揺さぶられた。どこにもやり場のないこの複雑な感情を味わっている真っ最中に、自分を愛してくれている、安心できる相手が目の前にいたらそれはもう溢れ出る様々な気持ちから涙が溢れ出ると思う。
人間ひとりひとり長い人生に、色んな人間が関わっていて、各々の関係性と時間の共有があって、各々に見せる表情や抱く感情があって、その巡り合わせは本当に誰にも説明できないくらいまぐれなものであって。強く感じさせられた。
彼女がそれぞれ異なる時間を共にした2人の男性に見せる、違った側面を描写するのはありそうでなかった気がする。彼女の人間性を多角的に見ることができた。
またもや主人公の状況に重なるものがあり大号泣。
「何か手放すことで得るものがある」って、お母さんの言葉私的にはとても力強かったの。
きっとまた見返したくなると思う。
