カモノハシペリー

パスト ライブス/再会のカモノハシペリーのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.8
実らない純愛が、戻れない二人(ソヨンとヘソン)と、進むしかない二人(ノラとアーサー)の間に聳えるようだった。最後の瞬間までソヨン/ノラはヘソンを尊重していて、男はいつもそうだと思う反面、ヘソンが陥った呪い(あえてそう呼ぶ)はもう解けることはなく、このままずっと何をして誰と出会っても変わらないだろう。自分に思い当たることがあり、ありすぎて、ありすぎるとまずいんだけれども。

そして、アーサーの悪役白人夫役というのは笑えてしまったが、その優しさがノラをこれからも大切にすることが明らかでとてもよかった。最後、タバコポイ捨てした?!あかんで!

愛情や思いやりという描写のみで性愛を省略したとても美しく苦しい物語。24歳のあの時、とずっと思い続けることを許してくれる作品。