みむさん

Ingeborg Bachmann - Reise in die Wüste(原題)のみむさんのレビュー・感想・評価

3.3
ベルリン国際映画祭にて。

オーストリアの詩人インゲボルク・バッハマンの愛と旅の物語。
「ハンナ・アーレント」マルガレーテ・フォン・トロッタ監督、ヴィッキー・クリープスが「corsage」に続き実在の人物を演じていた。

彼女が人生の終わりに振り返る二つの出来事、一つは劇作家マックス・フリッシュとの恋愛、もう一つは砂漠への旅。
最後まで見てみると男性的な作家の世界で我が道を往くインゲボルク・バッハマンの映画でもあるのかなと思う。

インゲボルグとマックスの恋愛結婚は成功格差から徐々に綻びが見え始め、他で知り合った男性と恋に落ちる、仕事(芸術)で惹かれあっているのか本当に愛しているのかの苦悩などメロドラマとしてありがちな割には三角関係のドロドロ劇までとはいかず平坦な印象だったし、私的には砂漠の旅のほうはヴィッキーを見るくらいしかなくて、ちょっと物足りないというか。

映画にするくらいだからもっと何か劇的なことが起こるのかもと思ったが、この映画はヴィッキー・クリープスの魅力を存分に使ってインゲボルク・バッハマンの半生を淡々と描いていた印象。

ヴィッキー・クリープス様々な映画だったな。